日中の眠気は要注意! 睡眠時無呼吸症候群の症状・原因・治療方法

日中の眠気は要注意! 睡眠時無呼吸症候群の症状・原因・治療方法

こんな医療記事、見たことない!
この記事は、日本一分かりやすい睡眠時無呼吸症候群のコンテンツを目指して作成しています。一般の方には必要ない専門的な情報を省き、図やイラストを多用することで、サッと読むだけ(赤太字だけを読めば、1~2分で概略が分かる。)でも理解できるようにしました。医師監修のもと、信頼性の高い情報のみを取り上げています。

睡眠時無呼吸症候群の症状・原因・治療方法

っかりと眠っているはずなのに疲れが取れない。朝起きたときに頭痛がする。このような症状は睡眠時無呼吸症候群が原因かもしれません。

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に呼吸が止まってしまう病気のことで、酸素不足によってさまざまな症状が引き起こされます。最悪の場合、深刻な症状や命の危険を招くこともあるため、早めの対策が重要です。

この記事では、睡眠時無呼吸症候群原因症状治療方法について、イラストや図を使って分かりやすく解説します。

睡眠時無呼吸症候群とは

睡眠時無呼吸症候群、睡眠中に何度も呼吸が止まることによって、さまざまな問題が引き起こされる病気のことです。

  • 10秒以上の呼吸停止が1時間あたり5回以上、または一晩(7時間の睡眠中)に30回以上起こった場合に睡眠時無呼吸症候群と診断される
  • 喉や気道がふさがる閉塞性睡眠時無呼吸タイプと脳から呼吸の命令がいかなくなる中枢性睡眠時無呼吸タイプがあり、9割以上が閉塞性睡眠時無呼吸タイプといわれている。
  • 日本人の1〜3%が発症しているとみられ、近年新しい成人病として注目されている。
睡眠時無呼吸症候群の喉(正常時)
睡眠時無呼吸症候群の喉(閉塞時)
睡眠時無呼吸症候群の喉( CPAP)

睡眠時無呼吸症候群になりやすい人

かかりやすい人

過体重・肥満傾向にある人

過体重・肥満傾向にある場合、睡眠時無呼吸症候群の発症リスクは大幅に高くなります。特に、男性は女性に比べて上半身に脂肪がつきやすいため注意が必要です。

鼻の疾患を抱えている人

慢性副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎、鼻中隔湾曲症など、鼻づまりの原因となる疾患を抱えている場合、睡眠時に気道が塞がりやすく、睡眠時無呼吸症候群のリスクが高くなります。

アデノイド増殖症の人

アデノイドとは、鼻の奥と喉がつながる部分にあるリンパ組織のことです。アデノイド増殖症を抱えている場合、肥大したアデノイドによって気道が狭くなるため、睡眠時無呼吸症候群を発症しやすくなります。

下顎が小さく舌が大きい人

下顎が小さく舌が大きいと、舌の根元が喉の奥に落ち込みやすく、睡眠時無呼吸症候群になる可能性が高くなります。

睡眠時無呼吸症候群の症状

症状一覧

睡眠時無呼吸症候群によって現れる症状と合併症を一覧できるように図にしました。

睡眠時無呼吸症候群の症状一覧

赤字は合併症
※ 合併症とは、ある病気に関連して起こる他の病気。

症状の現れ方

睡眠時無呼吸症候群の症状と合併症の現れ方を順を追って説明します。

症状

症状の推移

呼吸がたびたび止まる

寝ている間に、呼吸がたびたび止まるようになります。

大きないびき

無呼吸状態が解消されると同時に大きないびきをかきます。

夜中に何度も目が覚める

息苦しさから、寝ている間に頻繁に目が覚めるようになります。

起床時に頭痛が起こる

無呼吸によって脳が酸欠状態となり、起床時に頭痛が起こるようになります。

日中の眠気や倦怠感・注意力の低下

熟睡できず疲れが取れないため、日中に激しい眠気や倦怠感が起きたり、注意力が続かなくなったりしてしまいます。

合併症

循環器病の発症

酸素不足によって循環器に負担がかかり、肺高血圧・不整脈・心筋梗塞・脳梗塞などの循環器病を発症することもあります。

寝ぼけや夜尿症

子どもの場合、寝ぼけや夜尿症などの症状が見られることもあります。

関連疾患

多血症・不整脈・夜尿症・肺高血圧・心筋梗塞・脳梗塞・虚血性心疾患・脳血管障害・アデノイド増殖症慢性副鼻腔炎鼻中隔湾曲症アレルギー性鼻炎

睡眠時無呼吸症候群の原因

どのようなことが原因で睡眠時無呼吸症候群が引き起こされるのでしょうか? 原因と発症までの流れを解説します。

原因

原因と発症までの流れ

筋肉の緊張が緩む

睡眠中は全身の筋肉がリラックスするため、気道を支える筋肉も緊張が低下します。

軟口蓋や舌の根元が喉に落ち込む

筋肉の緊張が緩んだことによって、軟口蓋や舌の根元が重力に逆らえず、喉の奥に落ち込みます。

呼吸の停止

軟口蓋や舌の根元が喉の奥に落ち込むことで気道がふさがれ、呼吸が停止します。医学的には、10秒以上停止した状態を無呼吸と定義しており、ケースによっては30秒以上呼吸が止まることもあります。

大きないびき

酸素不足の状態を解消するために一気に酸素を取り込もうとし、大きないびきが起こります。

他の疾患による鼻づまり

副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎・鼻中隔湾曲症などの鼻疾患も睡眠時無呼吸症候群を引き起こす原因です。これらの病気を発症すると、鼻づまりによって鼻呼吸ができなくなり、口呼吸になります。口呼吸になると鼻呼吸に比べて喉が狭くなりやすいため、気道が十分に確保できず無呼吸が起こります。

アデノイドの肥大

子どもの場合、アデノイドの肥大によって気道が狭くなり、その影響で睡眠時無呼吸症候群となることがあります。

きっかけとなる行動

睡眠時無呼吸症候群を引き起こすきっかけとなる行動にはどのようなものがあるでしょうか? いくつか紹介します。

きっかけとなる行動

過度なアルコール摂取

過度なアルコール摂取は気道周囲の筋力を低下させます。気道の筋力が落ちることで睡眠時に軟口蓋や舌の根元が喉の奥に落ち込んで気道が狭くなり、睡眠時無呼吸症候群が起こりやすくなってしまいます。

睡眠薬の服用

睡眠薬もアルコールと同様、軟口蓋や舌の根元の落ち込みを引き起こし、睡眠時無呼吸症候群を引き起こす要因の一つです。眠りを深くしてしまうことで無呼吸状態を長引かせてしまうリスクもあります。

睡眠時無呼吸症候群の検査・診断方法

睡眠時無呼吸症候群が起きているかどうかを確かめるにはどのような方法があるのでしょうか? 病院での検査・診断方法を見ていきましょう。

診断

睡眠時無呼吸検査

パルスオキシメーターと呼ばれる装置を貸し出し、睡眠中の血液中酸素濃度を測定します(測定時の画像を表示)。装置は指にセンサーを装着するだけなので、自宅で簡単に検査できます。

終夜腫眠ポリグラフ検査

パルスオキシメーターで異常が確認された場合は、終夜腫眠ポリグラフ検査と呼ばれる検査を行います。 センサーや電極を全身に取り付け、脳波や眼球の動き、呼吸の状態、血液中の酸素濃度、筋肉の活動状態、心拍数などを調べます。

睡眠時無呼吸症候群の治療方法

鼻疾患やアデノイド増殖症などがある場合にはそれらに対する治療を行い、肥満の場合にはダイエットを中心とした生活指導を行います。睡眠時無呼吸症候群そのものに対する治療方法は、大きく分けて保存療法と手術の二つです。

保存療法

保存療法では、症状の度合いに応じてマウスピースや経鼻的持続陽圧呼吸(nasalcontinuouspositive airway pressure:CPAP)療法が行われます。

保存療法

マウスピース

下顎が小さいことによって気道が狭くなっている場合、マウスピースを装着して下顎を前に出すことで気道を広げます。

経鼻的持続陽圧呼吸(CPAP)療法

原因疾患の治療や生活指導を行なっても改善が見られない場合は、経鼻的持続陽圧呼吸(CPAP)療法を行います。鼻に装着したマスクから一定の圧で空気を送り込み、ふさがった気道を強制的に開くことで無呼吸を防止します(CPAP装着時の画像を表示)。

手術療法

保存療法で改善が見られない場合は手術療法を検討します。

手術療法

口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)

症状が重度の場合、軟口蓋や口蓋垂、口蓋扁桃(口蓋扁桃を図で見る)の肥大によって気道が狭くなっていることがあります。そのようなケースに対しては、肥大した箇所を切除することで気道を広げる口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(uvulopalatopharyngoplasty:UPPP)を行うこともあります。手術は全身麻酔下で行い、1週間程度の入院が必要です。

まとめ(病気に気付いたら)

病気に気付いたら

放っておくと

睡眠時無呼吸症候群は、日中の眠気や注意力の低下など、日常生活に悪影響を及ぼします。さらに、心筋梗塞・脳梗塞など、命に関わる合併症を引き起こすリスクもあります。

病気が疑われたら

日中の激しい眠気や大きないびきなど、睡眠時無呼吸症候群が疑われる症状がある場合は、早めに耳鼻咽喉科で診察を受けてください。