図解でわかる! 滲出性中耳炎の症状・原因・治療方法をサクッと解説

耳に水がたまる理由は? 滲出性中耳炎の症状・原因・治療方法

こんな医療記事、見たことない!
この記事は、日本一分かりやすい滲出性中耳炎のコンテンツを目指して作成しています。一般の方には必要ない専門的な情報を省き、図やイラストを多用することで、サッと読むだけ(赤太字だけを読めば、1~2分で概略が分かる。)でも理解できるようにしました。医師監修のもと、信頼性の高い情報のみを取り上げています。

滲出性中耳炎の症状・原因・治療方法をサクッと解説

んでも反応がない、必要以上に大きな声でしゃべる、テレビの音を大きくしている。もし、お子様にこのような症状が見られたら、それは滲出性中耳炎が原因かもしれません。

滲出性中耳炎とは、耳に滲出液がたまることで難聴や耳閉感が起こる病気のことです。特に、幼児の場合は自覚症状を訴えることができず、言語の習得に影響が出る恐れもあるため注意が必要です。

この記事では、滲出性中耳炎原因症状治療方法について、イラストや図を使って分かりやすく解説します。

滲出性中耳炎とは

滲出性中耳炎とは、耳で分泌された粘液がスムーズに排出されず、中耳腔にたまってしまう病気のことです。

  • 中耳腔とは、鼓膜の奥にある骨に囲まれた空洞のこと。
  • 本来、耳から分泌された粘液は、耳と鼻をつなぐ耳管を通って喉のほうに排出される。
  • 他の中耳炎とは異なり、痛みや発熱は伴わない
  • 大人の場合は片側のみに発症することもありますが、子どもでは大半が両耳に発症する。
耳の構造(滲出性中耳炎)

滲出性中耳炎になりやすい人

かかりやすい人

就学前の子ども

すべての世代に見られる病気ですが、特に就学前の子どもによる発症が多く確認されています。

お年寄り

耳の分泌液を排出する機能が弱っている高齢者にもしばしば見られます。加齢による難聴と区別がしづらく、放置されてしまうこともあります。

滲出性中耳炎の症状

症状一覧

滲出性中耳炎によって現れる症状と合併症を一覧できるように図にしました。

滲出性中耳炎の症状

赤字は合併症
※ 合併症とは、ある病気に関連して起こる他の病気。

症状の現れ方

滲出性中耳炎の症状と合併症の現れ方を順を追って説明します。

症状

症状の推移

耳閉感が現れる

耳に水がたまっている感覚や、耳の奥が詰まったような感覚が起こります。

難聴が起こる

周囲の音が聞こえづらくなります。乳幼児の場合は自覚症状を訴えることができません。返事が悪い、テレビの音を大きくしているといった症状が見られたら難聴を疑ってください。

耳鳴りが起こる

難聴と同時に耳鳴りが現れることもあります。

自分の声や呼吸音が耳に響く

自分の声や呼吸音が直接耳に響くような感覚が現れます。

合併症

癒着性中耳炎・真珠腫性中耳炎

滲出性中耳炎を治療せずに放置すると、鼓膜と耳の粘膜が癒着性中耳炎や真珠腫性中耳炎など別の中耳炎に進展することもあります。

関連疾患

急性中耳炎・癒着性中耳炎・真珠腫性中耳炎・アデノイド増殖症慢性副鼻腔炎・急性咽頭炎

滲出性中耳炎の原因

滲出性中耳炎は、耳管が正しく機能できなくなることによって起こります。どのようなことが原因となるのか、発症までの流れを詳しく見ていきましょう。

原因

原因と発症までの流れ

他の疾患からの耳管機能低下

アデノイド増殖症や副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎・急性咽頭炎など、耳管(耳管を図で見る)につながる喉や鼻腔に発生した炎症性疾患によって、耳管機能が低下します。

中耳腔の換気・排泄障害

耳管機能が低下することで、中耳腔(中耳腔を図で見る)に換気・排泄障害が起こります。これによって、中耳(中耳を図で見る)で分泌された粘液が排出されずにたまってしまいます。

急性中耳炎から移行

子どもの場合は、急性中耳炎が治りきらずに膿(うみ)が中耳(中耳を図で見る)にたまり、滲出性中耳炎に移行するケースも多く見られます。

加齢による耳管機能の低下

高齢者の場合は、加齢による耳管機能の低下が原因となることもあります。

滲出性中耳炎の検査・診断方法

滲出性中耳炎は中耳腔に滲出液がたまっているかどうかで判断できます。どのような方法で検査・診断を行うのかを見ていきましょう。

診断

鼓膜の観察

耳鼻咽喉科用の顕微鏡で鼓膜の様子を観察します。

聴力検査

聴力検査を行い、難聴があるかどうかを調べます。

ティンパノメトリー

ティンパノメトリーと呼ばれる鼓膜の動きの変化を測定する検査を行い、鼓膜の可動性を確認します。

画像診断

X線やCT検査などの画像診断を行うこともあります。

滲出性中耳炎の治療方法

難聴の症状が軽い場合には、滲出性中耳炎の原因疾患に対する治療を行いながら様子を見ます。滲出性中耳炎そのものに対する治療方法は、大きく分けて保存療法と手術の二つです。症状の度合いに応じて選択していきます。

保存療法

粘膜の腫れが滲出性中耳炎の原因となっている場合には、腫れを抑えるための薬物療法が基本となります。

保存療法

薬物療法

抗炎症薬や抗ヒスタミン薬などの内服薬を処方します。マクロライド系抗生剤の少量長期投与を行うこともあります。

ネブライザー療法

鼻の炎症に対しては、抗菌薬やステロイド薬などを鼻に噴霧するネブライザー療法を用いることもあります。

耳管通気

鼻から耳管(耳管を図で見る)に空気を送る耳管通気と呼ばれる処置を行うこともあります。

手術療法

保存療法を行っても改善しない場合や難聴が深刻な場合には、手術による治療を検討します。

手術療法

鼓膜切開術の流れ

麻酔

外耳道(外耳道を図で見る)に局所麻酔液を注入し、イオントフォレーゼと呼ばれる装置で弱電流を流して鼓膜表面と外耳道に麻酔を浸透させます。幼児の場合には、全身麻酔で手術を行うこともあります。

鼓膜切開

鼓膜切開刀と呼ばれる器具を用いて鼓膜を切開します。

滲出液の除去

切開した箇所に細い吸引管を入れ、中耳腔にたまった滲出液を取り除いていきます。手術をしても滲出液がたまってしまう場合は、再度手術を行うこともあります。

鼓膜チューブ留置術

何回手術をしても再発を繰り返す場合には、鼓膜チューブ留置術と呼ばれる手術を行います。滲出液の排出や換気をスムーズにするために、切開した部分に小さなチューブを挿入します。

チューブの除去

数ヶ月から2年ほど様子を見て、耳管(耳管を図で見る)の機能が安定してきたらチューブの除去を行います。除去後に再発した場合には、再びチューブを挿入します。

手術費用

滲出性中耳炎の手術は健康保険の適用となるため、70歳未満で国民健康保険に加入している場合、自己負担額は3割です。ここでは3割負担の例で紹介します。

費用
  • 鼓膜切開術(片側):2,300円
  • 鼓膜切開術(両側):5,000円
  • 鼓膜チューブ留置術(片側):9,000円
  • 鼓膜チューブ留置術(両側):18,000円

※手術費用以外に、検査料・再診料・術後の薬剤料、入院の場合には入院料が別途発生します。

まとめ(病気に気付いたら)

病気に気付いたら

放っておくと

癒着性中耳炎、真珠腫性中耳炎など、より重篤な合併症を引き起こす恐れがあります。子どもの場合、難聴が続くことで、言語の習得に影響が出る場合もあるため注意が必要です。

症状に気づいたら

耳が聞こえづらい、耳の詰まり感が気になるという場合には、早めに耳鼻咽喉科で診察を受けてください。