耳の骨が溶けて難聴や目まいが起こる? 真珠腫性中耳炎の症状・原因・治療方法

耳の骨が溶けて難聴や目まいが起こる? 真珠腫性中耳炎の症状・原因・治療方法

こんな医療記事、見たことない!
この記事は、日本一分かりやすい真珠腫性中耳炎のコンテンツを目指して作成しています。一般の方には必要ない専門的な情報を省き、図やイラストを多用することで、サッと読むだけ(赤太字だけを読めば、1~2分で概略が分かる。)でも理解できるようにしました。医師監修のもと、信頼性の高い情報のみを取り上げています。

真珠腫性中耳炎の症状(難聴)

いのする耳だれが出るようになった。耳が聞こえづらくて目まいがする。このような症状が現れている場合、真珠腫性中耳炎を発症している可能性があります。

真珠腫性中耳炎は、滲出性中耳炎や慢性中耳炎から移行することが多く、進行すると周囲の骨を破壊し、さまざまな症状を引き起こします

この記事では、真珠腫性中耳炎原因症状治療方法について、イラストや図を使って分かりやすく解説します。

真珠腫性中耳炎とは

真珠腫性中耳炎とは、鼓膜の一部が耳の奥にくぼみ、そこに剥げ落ちた皮膚や垢がたまることによってさまざまな症状が起こる病気のことです。

  • たまった皮膚や垢のかたまりが白く真珠のように見えることから、真珠腫性中耳炎と呼ばれる。
  • 多くの場合、浸出性中耳炎や慢性中耳炎に続いて起こる。
  • 進行すると周囲の骨を破壊し、さまざまな症状や合併症を引き起こす。
  • 先天性と後天性があり、90%以上が後天性。
真珠腫性中耳炎

真珠腫性中耳炎になりやすい人

かかりやすい人

鼻すすり癖がある人

鼻をすすることによって鼓膜が奥にくぼみやすくなり、真珠腫性中耳炎を引き起こすことがあります。

真珠腫性中耳炎の症状

症状一覧

真珠腫性中耳炎によって現れる症状を一覧できるように図にしました。

真珠腫性中耳炎の症状

症状の現れ方

真珠腫性中耳炎の症状の現れ方を順を追って説明します。

症状

症状の現れ方

耳だれが出る

真珠腫が細菌に感染することによって、悪臭を伴った耳だれが出るようになります。

難聴が起こる

真珠腫の影響で、難聴が起こるようになります。

目まいが起こる

真珠腫が大きくなり三半規管(三半規管を図で見る)や前庭(前庭を図で見る)を圧迫することで、目まいが起こります。

顔面まひが起こる

真珠腫の細菌感染が中耳内に走っている顔面神経に広がることで、顔面まひが起こります。

合併症

頭蓋内合併症

細菌感染が頭蓋内に及んだ場合、髄膜炎や脳膿瘍などの頭蓋内合併症を引き起こすことがあります。

関連疾患

滲出性中耳炎慢性中耳炎・髄膜炎・脳膿瘍

真珠腫性中耳炎の原因

真珠腫性中耳炎には、先天性と後天性があります。先天性は真珠腫組織が生まれつき中耳に入りこんでいることが原因です。ここでは、後天性の原因と発症までの流れを説明します。

原因

原因と発症までの流れ

滲出性中耳炎・慢性中耳炎を発症

真珠腫性中耳炎は、滲出性中耳炎や慢性中耳炎が長引くことで起こります。

皮膚組織が中耳に侵入

滲出性中耳炎によって鼓膜が内側にくぼんだ部分、慢性中耳炎によって鼓膜に穴があいた部分から皮膚や垢が中耳に侵入します。

耳小骨が溶ける

真珠腫が細菌感染を起こすことで骨を溶かす働きのある酵素が作られ、周囲の耳小骨(耳小骨を図で見る)を破壊します。これによって難聴が起こります。

細菌感染が広がる

真珠腫が大きくなり細菌感染が広がることで、さまざまな症状が起こるようになります。

真珠腫性中耳炎の検査・診断方法

真珠腫性中耳炎かどうかを判断するにはどうすればよいのでしょうか? 病院での検査・診断方法を紹介します。

診断

鼓膜を観察

耳鼻科用の顕微鏡や拡大耳鏡、内視鏡などを用いて、鼓膜やその周囲の状態を観察します。

CT検査

CT検査を行い、真珠腫の大きさや耳小骨の状態を診断します。

聴力検査

難聴の度合いを調べるために、聴力検査を行います。

真珠腫性中耳炎の治療方法

真珠腫性中耳炎を根本的に治療するためには、手術が必要です。手術が難しい場合には、保存療法で病気の進行を遅らせる処置をとることもあります。

保存療法

保存療法では、中耳にたまった真珠腫をきれいに取り除く治療を行います。一時的に症状は改善するものの再発することも多いため注意が必要です。

保存療法

真珠腫の除去

中耳にたまった皮膚や垢のかたまりを丁寧に取り除いていきます。

抗生剤の処方

細菌感染を予防するために、抗生剤を処方します。

手術療法

手術療法では、真珠腫を取り除いた後、真珠腫によって破壊された耳小骨を修復する手術を行います。

手術療法

鼓室形成術の流れ

麻酔

鼓室形成術は全身麻酔下で手術を行います。

耳たぶの付け根を切開

耳たぶの付け根に切開を入れます。

病変粘膜の摘出

切開部から、病気によって変化した粘膜を摘出します。

鼓室の再建

耳の骨や軟骨、筋肉の膜を採取し、その形を整えて使用することで、真珠腫によって破壊された骨やくぼんでしまった鼓膜を再建します。

乳突洞削開術

真珠腫が耳の後ろにある乳突骨と呼ばれる部分にまで広がっている場合には、乳突骨を切開して清掃する乳突洞削開術を行うこともあります。

手術費用

真珠腫性中耳炎の手術は健康保険の適用となるため、70歳未満で国民健康保険に加入している場合、自己負担額は3割です。ここでは3割負担の例で紹介します。

費用
  • 鼓室形成術(片側):約128,000円
  • 鼓室形成術・乳突削開術(片側):約158,000円

※手術費用以外に、検査料・再診料・術後の薬剤料、入院の場合には入院料が別途発生します。

まとめ(病気に気付いたら)

病気に気付いたら

放っておくと

骨の破壊が頭蓋にまで及び、髄膜炎や脳膿瘍など、命に関わる合併症を引き起こす恐れがあります。

症状に気づいたら

耳のふさがる感じや耳が聞こえづらいなどの症状が見られたら、早めに耳鼻咽喉科で診察を受けてください。