耳だれが出て耳が聞こえづらい! 慢性中耳炎の原因・症状・治療方法

耳だれが出て耳が聞こえづらい! 慢性中耳炎の症状・原因・治療方法

こんな医療記事、見たことない!
この記事は、日本一分かりやすい慢性中耳炎のコンテンツを目指して作成しています。一般の方には必要ない専門的な情報を省き、図やイラストを多用することで、サッと読むだけ(赤太字だけを読めば、1~2分で概略が分かる。)でも理解できるようにしました。医師監修のもと、信頼性の高い情報のみを取り上げています。

慢性中耳炎が原因による耳鳴り

だれが出るようになって耳が聞こえづらい。急性中耳炎に続いてこのような症状がみられたら、それは慢性中耳炎になっている可能性があります。

慢性中耳炎は、主に急性中耳炎が治らなかったり、再発を繰り返したりすることで起こる病気です。難聴や耳鳴りなど、日常生活に大きな影響を及ぼす症状が現れるため、早い段階で正しく治療する必要があります。

この記事では、慢性中耳炎原因症状治療方法について、イラストや図を使って分かりやすく解説します。

慢性中耳炎とは

慢性中耳炎とは、急性中耳炎や外傷などによって鼓膜が破れ、その状態のまま3か月以上経過したものをいいます。

  • 片耳だけに発症することもあれば両耳同時に発症することもある。
  • 単純性化臆性中耳炎とも呼ばれる。
  • 急性中耳炎は、細菌やウイルスの感染などによって中耳に化膿性の炎症が起こる病気。
  • 鼓膜にできた穴のことを鼓膜穿孔(こまくせんくう)という。
慢性中耳炎の構造

慢性中耳炎になりやすい人

かかりやすい人

就学前の子ども

子どもは大人に比べて細菌やウイルスが耳の中に入りやすく、慢性中耳炎の発症リスクが高くなっています。

or

高齢者

高齢者は、加齢による免疫力の低下によって慢性中耳炎を引き起こしやすくなっています。慢性中耳炎による難聴を加齢によるものと誤解し、治療が遅れて悪化するケースも多いため注意が必要です。

慢性中耳炎の症状

症状一覧

慢性中耳炎によって現れる症状を一覧できるように図にしました。

慢性中耳炎の症状

症状の現れ方

慢性中耳炎の症状の現れ方を順を追って説明します。

症状

症状の推移

耳だれが出る

鼓膜(鼓膜を図で見る)の破れた部分から耳だれが断続的に出るようになります。

難聴が起こる

鼓膜に穴があいた状態のため、耳の聞こえが悪くなります。症状が進行し、鼓膜の穴が大きくなるほど難聴は悪化します。

耳鳴りが起こる

中耳(中耳を図で見る)の炎症が鼓膜の奥にある内耳(内耳を図で見る)にまで及んだ場合、耳鳴りが起こります。

関連疾患

急性中耳炎真珠腫性中耳炎・癒着性中耳炎

慢性中耳炎の原因

多くの場合、慢性中耳炎は急性中耳炎から移行するかたちで発症します。原因と発症までの流れを詳しく見ていきましょう。

原因

原因と発症までの流れ

急性中耳炎の発症

多くの場合、急性中耳炎が長引いたり繰り返されたりすることで慢性中耳炎を発症します。

鼓膜が破れる

急性中耳炎が悪化することで中耳(中耳を図で見る)に膿(うみ)がたまり、その膿を排出するために鼓膜(鼓膜を図で見る)が破れます。

膿が出る

鼓膜が破れた箇所から、膿が出るようになります。これが耳だれの正体です。

鼓膜が破れた状態が続く

本来、鼓膜にできた穴は自然にふさがりますが、3か月以上続く場合に慢性中耳炎と診断されます。

鼓膜の穴が大きくなる

病気の悪化とともに鼓膜の穴が大きくなり、それによって難聴などの症状が起こります。

炎症が内耳に広がる

病気が進行すると、中耳の炎症が鼓膜の奥にある内耳に波及することもあります。

or

外傷によって鼓膜が破れる

外傷によって鼓膜が破れ、そこに感染が起こって慢性中耳炎となることもあります。

慢性中耳炎の検査・診断方法

慢性中耳炎になっているかを判断する方法にはどのようなものがあるのでしょうか? 病院での検査・診断方法を説明します。

診断

鼓膜の状態を観察

耳鏡と呼ばれる器具を使って、鼓膜(鼓膜を図で見る)の状態を観察します。

plus

画像診断

耳の中の様子を確認するために、CT検査を行うこともあります。

plus

細菌検査

耳だれが続く場合、炎症を引き起こしている細菌の種類を調べるための検査を行うこともあります。

plus

聴力検査

通常の聴力検査に加えて、人工の膜で鼓膜の穴をふさぎ、聴力が回復するかどうかを調べる検査(パッチテスト)も同時に行います。

慢性中耳炎の治療方法

慢性中耳炎の治療は大きく保存療法と手術療法に分けられます。症状や病気の進行度合いによって選択します。

保存療法

保存療法は、耳だれをなくし、細菌感染の広がりを防ぐことが目的です。

保存療法

耳内部の清掃

耳だれを取り除くために、耳の中をきれいに清掃します。

抗生物質の点耳

炎症を抑えるために、抗生物質を点耳します。

内服薬の処方

症状がひどい場合には、抗生物質の内服薬を処方します。

手術療法

手術療法では、鼓膜にあいた穴を修復するための治療を行います。パッチテストで聴力の改善がみられた場合は鼓膜形成術、聴力の改善がみられない場合には鼓室形成術を選択します。

手術療法

鼓膜形成術の流れ

局所麻酔

手術予定の1時間前に局所麻酔薬を染み込ませた綿を鼓膜(鼓膜を図で見る)の穴があいた部分に接着させます。その上で、手術開始時に、耳たぶに局所麻酔を注射します。

皮下組織の採取

耳たぶの付け根を小さく切開し、鼓膜の穴をふさぐための皮下組織を採取します。

鼓膜の穴をふさぐ

鼓膜の穴の縁を切り取り、形を整えた皮下組織を中耳腔に入れ、裏打ちする形で鼓膜の穴を塞ぎます。皮下組織の接着には、フィブリン糊という生体接着剤を用います。

or

鼓室形成術の流れ

麻酔

手術は麻酔下で行います。病院の方針や患者の希望などによって、局所麻酔と全身麻酔のいずれかが選択されます。

耳の付け根を切開

耳の付け根に切開を入れます。

炎症粘膜の除去

中耳腔(中耳腔を図で見る)内の炎症を起こしている粘膜を除去します。

伝音連鎖の修復・再建

炎症によって異常が起きてしまった伝音連鎖(鼓膜から内耳に音を伝える機能)の修復・再建を行います。

手術費用

慢性中耳炎に対する手術は健康保険の適用となるため、70歳未満で国民健康保険に加入している場合、自己負担額は3割です。ここでは3割負担の例で紹介します。

費用

    • 鼓膜形成術(片側):約54,000円
    • 鼓室形成術(片側):約128,000円

※手術費用以外に、検査料・再診料・術後の薬剤料、入院の場合には入院料が別途発生します。

まとめ(病気に気付いたら)

病気に気付いたら

放っておくと

鼓膜にあいた穴が広がることで難聴がさらに悪化し、日常生活に支障が出ることもあります。

症状が治らなかったら

急性中耳炎の後に耳だれや難聴が起こるようになったら、早めに耳鼻咽喉科で診察を受けてください。