花粉症だけじゃない! アレルギー性鼻炎の症状・原因・治療方法

鼻のムズムズがつらい! アレルギー性鼻炎の症状・原因・治療方法

こんな医療記事、見たことない!
この記事は、日本一分かりやすいアレルギー性鼻炎のコンテンツを目指して作成しています。一般の方には必要ない専門的な情報を省き、図やイラストを多用することで、サッと読むだけ(赤太字だけを読めば、1~2分で概略が分かる。)でも理解できるようにしました。医師監修のもと、信頼性の高い情報のみを取り上げています。

花粉が飛ぶ中、洗濯物を干す女性

邪でもないのに、くしゃみや鼻水が止まらない。こうした症状はアレルギー性鼻炎の可能性があります。

アレルギー性鼻炎とは、アレルギー原因物質(アレルゲン)が体内に入ることによって、さまざまな症状が起こる病気のことです。スギ花粉症が有名ですが、花粉以外が原因となるものもあります。

この記事では、アレルギー性鼻炎原因症状治療方法について、イラストや図を使って分かりやすく解説します。

アレルギー性鼻炎とは

アレルギー性鼻炎とは、アレルギーの原因物質が鼻の粘膜に付着することで、くしゃみや鼻水、鼻づまりなどのアレルギー反応を起こす病気のことです。

  • 原因となる物質によって、通年性アレルギー性鼻炎季節性アレルギー性鼻炎に分けられる
  • 近年社会問題となっているスギ花粉症も季節性アレルギー性鼻炎の一つ
  • 鼻アレルギーや鼻過敏症などの名前で呼ばれることもある。

アレルギー性鼻炎の症状

症状一覧

慢性鼻炎によって現れる症状を一覧できるように図にしました。

アレルギー性鼻炎の症状一覧

※ 黒字は通年性アレルギー性鼻炎・季節性アレルギー性鼻炎共通の症状。
※ 茶字は季節性アレルギー性鼻炎のみに現れる症状。

症状の現れ方

アレルギー性鼻炎によって現れる症状を説明します。

症状

くしゃみ・鼻水などの鼻症状が出る

通年性アレルギー性鼻炎、季節性アレルギー性鼻炎に共通した症状が、くしゃみ・鼻水・鼻づまり・鼻のむずがゆさといった鼻症状です。通年性アレルギー性鼻炎では一年中、季節性アレルギー性鼻炎では花粉が飛ぶ時期に症状が起こります。

目のかゆみ・充血など、目の症状

季節性アレルギー性鼻炎では、目のかゆみや充血、涙目などを伴うこともあります。

倦怠感や微熱、腹痛などの全身症状

季節性アレルギー性鼻炎の場合、花粉の飛散量が多くなると倦怠感や微熱、腹痛などの全身症状といった全身症状が現れることもあります。

判断力の低下、行動力の鈍化

季節性アレルギー性鼻炎の発症によって、とっさの判断力の低下や行動力の鈍化が起こることも近年の研究で明らかとなりました。

関連疾患

急性副鼻腔炎鼻中隔湾曲症

アレルギー性鼻炎の原因

アレルギー性鼻炎はアレルギーの原因物質が鼻粘膜に付着することで起こります。発症までの流れを詳しく見ていきましょう。

原因

原因と発症までの流れ

アレルギー原因物質が鼻に付着

アレルギーの原因物質(抗原)が鼻に付着することが発症の引き金となります。通年性アレルギー性鼻炎はハウスダストやダニ・ペットの毛・かびなど、季節性アレルギー性鼻炎は花粉(スギ花粉・ブタクサ花粉・カモガヤ花粉など)が原因物質です。

IgE抗体ができる

抗原が体内に取り込まれると、その抗原に対して働くIgE抗体が生成されます。

再び抗原が侵入

再び抗原が鼻から取り込まれると、IgE抗体が反応し、鼻水・鼻づまり・くしゃみなどのアレルギー反応が起こります。

アレルギー性鼻炎の検査・診断方法

アレルギー性鼻炎は急性鼻炎などとの区別が難しく、正確に診断するためにはさまざまな検査が必要です。どのような検査・診断方法があるのか見ていきましょう。

診断

問診

症状や程度、発症年齢、発症しやすい時期、他のアレルギー性疾患の有無などを聞いていきます。

鼻粘膜の観察

鼻粘膜の色や腫れ方、鼻水の状態などを観察します。

皮膚テスト

皮膚テストを行うこともあります。皮膚に作った小さなひっかき傷から抗原のエキスをたらすスクラッチパッチテスト、抗原のエキスを注射する皮肉テストなどを行い、皮膚の反応を観察します。

鼻水の検査

鼻水を採取し、その中にある細胞を調べる検査を行うこともあります。アレルギー性鼻炎の場合、好酸球という細胞が多く含まれています。

血液検査

血液を採取し、血液中に含まれるIgE抗体の量を調べることもあります。

鼻誘発テスト

鼻誘発テストと呼ばれる検査を行うこともあります。鼻の粘膜に抗原の染み込んだ小さな紙を置き、反応の有無や程度を判定します。

アレルギー性鼻炎の治療方法

アレルギー性鼻炎の治療は、大きく保存療法と手術療法に分けられます。それぞれのどのように治療を進めるのかを見ていきましょう。

保存療法

保存療法では、アレルギー反応を抑えるための薬物療法を中心に行います。

保存療法

薬物療法

アレルギー反応を抑える抗ヒスタミン薬、炎症を抑える作用を持つステロイドの点鼻薬などが処方されます。

or

舌下免疫療法

長期的に治療を進める場合、舌下免疫療法も有効です。アレルギー反応が起こらない程度少量の抗原を舌の下に垂らして、徐々に量を増やしていくことで、反応を起こりづらくしていきます。効果が出るまでには、週に1〜2回の通院を半年から1年以上続ける必要があります。

手術療法

保存療法で効果が見られない場合、鼻づまりが重症の場合には、手術療法を検討します。鼻粘膜を焼くことでアレルギー反応や粘膜の腫れを起こりにくくする鼻粘膜焼灼術、アレルギー症状の発生に関与している後鼻神経の働きを抑える後鼻神経凍結術、後鼻神経切断術などを行います。

手術療法

鼻粘膜焼灼術

鼻の穴の入り口にある突起した部分、下鼻甲介(かびこうかい 下鼻甲介を図で見る)の粘膜を炭酸レーザーガスやラジオ波などで焼くことで、アレルゲンが侵入してもアレルギー反応が起こりにくくなります。手術は局所麻酔で行われ、所用時間は両側で10〜15分ほどです。

or

後鼻神経凍結術

くしゃみや鼻水などのアレルギー症状を引き起こしている神経、後鼻神経を凍結させることで症状を起こりにくくする後鼻神経凍結術(後鼻神経凍結術を図で見る)を行うこともあります。

or

後鼻神経切断術

後鼻神経凍結術を行っても効果が見られない場合、後鼻神経を切断する後鼻神経切断術(後鼻神経切断術を図で見る)を行うこともあります。

手術費用

アレルギー性鼻炎に対する手術は健康保険の適用となるため、70歳未満で国民健康保険に加入している場合、自己負担額は3割です。ここでは3割負担の例で紹介します。

費用
  • 鼻粘膜焼灼術(片側):2,700円
  • 後鼻神経凍結術(片側):2,400円
  • 後鼻神経切断術(片側):79,590円

※手術費用以外に、検査料・再診料・術後の薬剤料、入院の場合には入院料が別途発生します。

日常生活で気をつけること

日常生活で気をつけること

家の中は常にきれいに

ハウスダストやダニなどが原因となっている場合には、家の中を掃除し、常に清潔に保っておくことが大切です。

花粉を体内に入れない工夫

花粉が原因の場合には、外出時にメガネやマスクを装着するなど、花粉が体内に入らないように対策をとりましょう。

まとめ(病気に気付いたら)

病気に気付いたら

放っておくと

鼻水や鼻づまりが長期的に続くことで、集中力が落ちるなど、日常生活にも大きな影響が現れます。

症状が治らなかったら

自分でできる対策を行っても生活に支障の出るほど症状が出ている場合には、耳鼻咽喉科に相談してください。