鼻水と鼻づまりがつらい! 急性副鼻腔炎の原因・症状・治療方法

鼻水と鼻づまりがつらい! 急性副鼻腔炎の症状・原因・治療方法

こんな医療記事、見たことない!
この記事は、日本一分かりやすい急性副鼻腔炎のコンテンツを目指して作成しています。一般の方には必要ない専門的な情報を省き、図やイラストを多用することで、サッと読むだけ(赤太字だけを読めば、1~2分で概略が分かる。)でも理解できるようにしました。医師監修のもと、信頼性の高い情報のみを取り上げています。

 急性副鼻腔炎の原因・症状・治療方法

邪を引いたときから、いつまでも鼻水や鼻づまりが治らない。体をかがめると鼻の奥や目の周りが痛くなる。このような症状は急性副鼻腔炎が原因かもしれません。

急性副鼻腔炎は風邪やアレルギー性鼻炎などをきっかけに発症することが多く、悪化すると慢性副鼻腔炎に移行し、手術が必要となることもあります。

この記事では、急性副鼻腔炎原因症状治療方法について、イラストや図を使って分かりやすく解説します。

急性副鼻腔炎とは

急性副鼻腔炎とは、ウイルスや細菌の感染によって副鼻腔に急性の炎症が起こる病気のことです。

  • 副鼻腔とは、鼻(鼻腔)と隣り合う骨内に存在する空洞のことで、上顎洞(頬の奥)、篩骨洞(眼の内側)、前頭洞(眼の上)、蝶形骨洞(篩骨洞の奥)の4つが左右それぞれに存在している。
  • 放置したり不完全な治療を繰り返したりした場合、慢性副鼻腔炎に移行する
  • 鼻炎とともに起こることが多いため、急性鼻副鼻腔炎と呼ばれることもある。
鼻腔副鼻腔の断面図

※ 薄いピンクが鼻腔、濃いピンクが副鼻腔。
※ 鼻腔の奥に蝶形骨洞と呼ばれる副鼻腔がある。

急性副鼻腔炎の症状

症状一覧

急性副鼻腔炎によって現れる症状と合併症を一覧できるように図にしました。

急性副鼻腔炎の症状

赤字は合併症
※ 合併症とは、ある病気に関連して起こる他の病気。

症状の現れ方

急性副鼻腔炎の症状と合併症の現れ方を順を追って説明します。

症状

症状の推移

鼻水が出る、鼻がつまる

鼻水・鼻づまりなど、急性鼻炎とよく似た症状が現れます。鼻水は透明で水っぽいものから徐々に黄色く粘り気のある状態へ変化します。

炎症部に圧迫感や痛みが出る

炎症を起こしている副鼻腔の位置によって、頬や鼻根部、おでこ、頭に圧迫感や痛みが生じます。特に、身をかがめた際に強く痛みが出ます。

熱が出る

症状が重くなった場合、発熱が起こり、頭痛や悪寒などの症状が出ることもあります。

合併症

眼窩蜂巣炎

まれに、副鼻腔の炎症が眼の脂肪組織に広がり、眼窩蜂巣炎を発症することがあります。

髄膜炎・脳膿瘍

鼻粘膜の炎症が脳に広がった場合、髄膜炎・脳膿瘍などの合併症を起こすことがあります。

関連疾患

慢性副鼻腔炎急性鼻炎アレルギー性鼻炎・眼窩蜂巣炎・髄膜炎・脳膿瘍

急性副鼻腔炎の原因

どのようなことが原因で急性副鼻腔炎を発症してしまうのでしょうか? 原因と発症までの流れを解説します。

原因

原因と発症までの流れ

鼻腔に炎症が起こる

風邪などに伴う細菌感染によって、鼻の入り口にあたる鼻腔に炎症が起こります。急性副鼻腔炎の発症には、肺炎球菌・インフルエンザ菌・ブドウ球菌などが大きく関わっていると考えられています。

副鼻腔に炎症が広がる

鼻腔に起こった炎症が、その奥にある副鼻腔にまで広がります。

鼻腔と副鼻腔をつなぐ通路がふさがる

鼻粘膜が炎症で腫れることで、鼻腔と副鼻腔をつないでいた通路がふさがってしまいます。

副鼻腔に膿がたまる

鼻腔と副鼻腔の通路がふさがることで、副鼻腔で分泌された粘液が排泄できなくなり、膿がたまってしまいます。

鼻の外傷が原因となることも

鼻の外傷を受けたことによって菌が侵入し、この菌によって急性副鼻腔炎を発症することもあります。

口の中の菌が原因となることも

咽頭炎・扁桃炎・むし歯などの影響で副鼻腔炎が細菌感染を起こし、発症することもあります。

急性副鼻腔炎の検査・診断方法

急性副鼻腔炎かどうかを診断する方法にはどのようなものがあるのでしょうか? 病院での検査・診断方法について解説します。

診断

鼻の中を観察

鼻の中を観察し、赤みやむくみがあるかどうかを調べます。

ファイバースコープ(内視鏡)

鼻の中をファイバースコープ(内視鏡)で観察します。粘膜の腫れや膿性鼻汁の有無、鼻汁がでている場所、量を確認します。急性の場合は少ないですがポリープを認める場合もあります。

図1(急性副鼻腔炎を発症した右鼻腔の内視画像):右の鼻腔です。右中鼻甲介の外側で鼻腔側壁との間(上顎洞や前頭洞とつながります)、内側で鼻中隔との間(後部篩骨洞や蝶形骨洞とつながります)の両側から膿性鼻汁が流れているのが観察できます。

図2(急性副鼻腔炎を発症した右鼻腔後方の内視画像):その後方を観察しています。中鼻甲介の内側、および外側から流れた膿性鼻汁が後鼻腔に流れていわゆる後鼻漏となっているのを認めます。

X線撮影

副鼻腔に膿がたまっているかどうかを調べるために、X線撮影を行います。

CT撮影

X線撮影ではおおざっぱな炎症の程度しかわかりません。臭いの道や眼窩への影響、歯の影響など詳細を調べる必要のある時、治療前後の比較などにはCTが必要です。

図3(急性副鼻腔炎のCT画像):上の内視鏡所見の方のCTです。上顎洞や篩骨洞に粘膜の炎症や膿の貯留、嗅裂の炎症を認めます。

図4(保存療法後のCT画像):図3の方の保存的治療3ヶ月後のCTです。マクロライド少量投与を続けて副鼻腔炎はほぼ完治しました。その間の通院頻度は2~4週間に一度です。

原因菌の検査

炎症の原因となっている菌を調べるために、鼻水の細菌検査を行います。

急性副鼻腔炎の治療方法

副鼻腔炎の治療は薬物療法を中心に行います。炎症の度合いや原因によっては、上顎洞の洗浄や歯科治療が必要となることもあります。

治療

鼻の洗浄

鼻の中にたまった鼻水を吸引し、生理食塩水で鼻腔から副鼻腔にかけて洗浄します。

薬物療法

炎症の原因となっている細菌に対する抗菌薬や痛みを抑えるための消炎鎮痛薬を投与します。排膿を促す薬を使用することもあります。

ネブライザー療法

ネブライザーと呼ばれる装置で鼻の中に薬剤を噴霧し、炎症の改善を図ることもあります。(噴霧時の画像を表示

上顎洞洗浄

上顎洞の炎症が重度の場合、鼻の中から上顎洞に洗浄針を刺して膿を洗い流す処置をとることもあります。

歯科での治療

歯の炎症から急性副鼻腔炎を発症している場合は歯科での治療が必要となります。

日常生活の注意

日常生活で気をつけること

鼻をしっかりとかみきる

急性副鼻腔炎を防ぐためには、鼻をよくかんで、鼻の中に膿がたまらないようにすることが大切です。片方の鼻をしっかりと押さえ、鼻水を出しきるまで繰り返しかんでください。口を閉じ、息を出しきるまでゆっくり長くかむのがコツです。

しっかりと睡眠をとる

疲労がたまっていると急性副鼻腔炎を発症しやすくなるため、抵抗力を上げるためにも日頃からしっかりと睡眠をとるようにしましょう。

まとめ(病気に気付いたら)

病気に気付いたら

放っておくと

治療をせずに放置すると、副鼻腔の炎症が慢性化し、より重篤な慢性副鼻腔炎に移行する恐れがあります。

病気が疑われたら

鼻水の量が増え、鼻の奥や頬、おでこ、目の周りのいずれかに痛みがある場合は、耳鼻咽喉科で診察を受けてください。