熱があって耳が痛い! 子どもに多い急性中耳炎の症状・原因・治療方法

熱があって耳が痛い! 子どもに多い急性中耳炎の症状・原因・治療方法

こんな医療記事、見たことない!
この記事は、日本一分かりやすい急性中耳炎のコンテンツを目指して作成しています。一般の方には必要ない専門的な情報を省き、図やイラストを多用することで、サッと読むだけ(赤太字だけを読めば、1~2分で概略が分かる。)でも理解できるようにしました。医師監修のもと、信頼性の高い情報のみを取り上げています。

子どもに多い急性中耳炎の症状・原因・治療方法

どもが発熱と同時に激しい耳の痛みを訴えるようになった。その症状はもしかしたら急性中耳炎によるものかもしれません。

急性中耳炎は、風邪の後に続いて発症することが多く、発熱や耳の痛みが大きな特徴です。悪化すると命に関わる合併症を引き起こす恐れもあるため、早い段階で対策をとる必要があります。

この記事では、急性中耳炎原因症状治療方法について、イラストや図を使って分かりやすく解説します。

急性中耳炎とは

急性中耳炎とは、鼻の中で増えた細菌が耳管を通って耳に入り込み、中耳に化膿性の炎症を生じる病気のことです。

  • 耳管とは、鼻から耳へつながる管状の器官のこと。
  • 多くの場合、風邪やインフルエンザなどに続いて発症する
  • 風邪を引きやすい冬から春にかけて多く見られる
  • 主な原因菌は、肺炎球菌やインフルエンザ菌。
  • 近年、抗菌薬の効きにくい薬剤耐性菌の割合が増え、問題となっている。
耳の構造(急性中耳炎)

急性中耳炎になりやすい人

かかりやすい人

就学前の子ども

就学前の子ども、特に2歳以下の乳幼児に多く発症しています。

急性中耳炎の症状

症状一覧

急性中耳炎によって現れる症状と合併症を一覧できるように図にしました。

子どもに多い急性中耳炎の症状

赤字は合併症
※ 合併症とは、ある病気に関連して起こる他の病気。

症状の現れ方

急性中耳炎の症状と合併症の現れ方を順を追って説明します。

症状

症状の推移

風邪の症状が現れる

多くの場合、風邪から移行するため、まずは鼻づまりや鼻水・喉の痛み・咳など、風邪の症状が現れます。

耳が詰まった感じがする

耳が詰まった感じが起こり、周囲の音が聞こえづらくなります。

耳の痛みが起こる

激しい耳の痛みが起こります。

熱が出る

耳の痛みと同時に発熱が起こります。乳幼児の場合、39度以上の熱が出ることも珍しくありません。

耳だれが出る

症状が進行して鼓膜(鼓膜を図で見る)の一部が破れると、膿のような耳だれが出ます。耳だれが出ると同時に痛みはなくなります。

合併症

内耳炎

中耳炎を引き起こした細菌やウイルスが内耳(内耳を図で見る)に入り込んだ場合、内耳炎を発症します。内耳炎によってめまいが起こることもあります。

乳様突起炎

重症化した場合、耳介(耳介を図で見る)の後ろにある乳様突起と呼ばれる骨が腫れてくる乳様突起炎を発症することがあります。

顔面神経麻癖・頭蓋内合併症

まれではありますが、顔面神経麻癖や頭蓋内合併症といった重篤な病気を併発することもあります。

関連疾患

上気道炎・風邪症候群・急性副鼻腔炎慢性副鼻腔炎内耳炎・乳様突起炎・顔面神経麻癖・頭蓋内合併症

急性中耳炎の原因

急性中耳炎は、中耳に炎症が起こることで発症します。原因と発症までの流れを詳しく見ていきましょう。

原因

原因と発症までの流れ

鼻や喉に細菌感染が起こる

風邪などによって、鼻や喉が細菌感染を起こします。

細菌が中耳に入り込む

鼻や喉で繁殖した細菌が耳管を通って中耳(中耳を図で見る)に入り込みます。

中耳に細菌感染が起こる

中耳が細菌に感染し、急性中耳炎を発症します。

急性中耳炎の検査・診断方法

急性中耳炎を調べるにはどのような方法があるのでしょうか? 病院での検査・診断方法を紹介します。

診断

鼓膜の状態を観察

耳の中を覗いて、鼓膜の状態を観察します。直接覗いて状態がわかりづらい場合には、耳鏡や内視鏡を用いることもあります。

鼻の状態を観察

鼻炎や副鼻腔炎を併発していることが多いため、鼻の状態も同時に見ていきます。

耳と鼻の細菌検査

耳だれや鼻の粘液をぬぐい、中耳炎の原因となる細菌がいないかどうかを調べます。

急性中耳炎の治療方法

急性中耳炎に対する治療方法には、大きく分けて保存療法と手術両方の二つがあります。症状の重さに合わせて選択します。

保存療法

保存療法は薬物療法が基本となります。

保存療法

鎮痛剤の処方

症状が軽く鼓膜の状態が良い場合には、鎮痛剤を処方して様子を見ます。

抗菌薬の処方

3日以上様子を見ても改善しない場合、中耳炎の原因となっている細菌に対する抗菌薬を処方します。ペニシリン系、セフアロスポリン系抗生物質など、原因菌に合わせて選んでいきます。

手術療法

保存療法を行っても改善しない場合や中耳に膿がたまって痛みが激しい場合には、手術による治療を検討します。

手術療法

鼓膜切開術の流れ

麻酔

耳の中に弱電流を流すことで麻酔液を浸透させるイオントフォレーゼという方法を用いて、麻酔を行います。鼓膜の炎症が強く鼓膜の知覚神経がまひしている場合には、麻酔なしでも手術が可能です。

鼓膜切開

鼓膜切開刀と呼ばれる器具で鼓膜を切開します。

膿の吸引

切開した箇所に細い吸引管を入れ、中耳腔(中耳腔を図で見る)にたまった膿を吸い出します。

手術費用

急性中耳炎の手術は健康保険の適用となるため、70歳未満で国民健康保険に加入している場合、自己負担額は3割です。ここでは3割負担の例で紹介します。

費用
  • 鼓膜切開術(片側):2,300円
  • 鼓膜切開術(両側):5,000円

※手術費用以外に、検査料・再診料・術後の薬剤料、入院の場合には入院料が別途発生します。

日常生活の注意

日常生活で気をつけること

鼻を片方ずつゆっくりとかむ

鼻づまりがある場合は、鼻を強くかんだりせず、片方ずつゆっくりとかむようにしてください。

鼻水を吸ってあげる

新生児や乳児など、自分で鼻をかむことができない場合は、吸引器などを使って吸い取ってあげる必要があります。

痛みが強い場合は耳を冷やす

夜間に強い痛みが出た場合は、耳を冷やすことで一時的に痛みを抑えることができます。

まとめ(病気に気付いたら)

病気に気付いたら

放っておくと

症状が軽い場合には、3日程度で自然に治ります。しかし、悪化した場合、中耳炎の原因となった細菌が別の箇所に感染することによって重篤な合併症を引き起こすことがあります。

症状が治らなかったら

3日以上様子を見ても症状の改善が見られない場合には、早めに耳鼻咽喉科で診察を受けてください。